痛みのある時の動かし方について、今回は矢上先生のブログから文章をコピーしています
運動器における動作痛の発現には法則があります。
安静にしているときにも痛むといのは動作痛ではなく、 「普段は痛まないが、ある角度に動かしたら痛む」 というのが動作痛なので、お間違えなく。
動作痛の法則 1
ある角度に動かすと痛むという場合は、この角度に動かすと関節を痛める、または変形につながるので、身体が痛みを通じて「その方向には動かさないで」という命令を出している。
法則 2
動作痛の原因は、筋肉の不正使用である。 痛む方向と反対側の筋肉、つまり使われていなかった筋肉を使うようにすると動作痛は消える。
法則 3
レントゲンやMRIで発見される背骨の狭窄症や、変形性膝関節症などは、筋肉の不正使用の結果であって、その部分を手術して形だけを整えても、必ず再発する。
法則 4
素早く動作痛に気づく人と、変形するまで気づかない人がある。 気づく人は身体への注意力があり、身体への注意、 違和感への気づき、微調整をして修正する。 という作業ができる。
法則 5
いかなる動作痛でも、変形してしまった関節でも、手遅れということはなく、間違った筋肉の不正使用を止め、正しい運動で調整すれば治る。
法則 6
「正しい運動とはどうやるのか」 と言えば、筋肉の不正使用の反対方向への運動である。 例えば腰椎に付着している筋肉が右ばかりを使用していると、腰椎は右に湾曲し、ズレてくる。
ある程度のズレになると、それ以上のズレをストップさせるため動作痛が始まる。 この時に、その腰椎の左についている筋肉を使うようにすると、左が強くなり腰椎を左へ引っ張るのでズレが元の位置へ戻る。 この時には痛みは消えている。
このような動作痛は、アスリートの宿命でもあります。 特に野球の投手などはフォームに気を使いますが、筋肉の不正使用をすると動作痛があるだけでなく、パフォーマンスそのものが低下して打たれてしまいます。 マラソンランナーも走るときの筋肉の不正使用が怪我になります。
これほど筋肉の不正使用は怖いのです。
さらに、筋肉量が多い時は筋肉の不正使用によってズレた骨が存在していても、筋肉がそれを持ち上げて支えてくれますので痛みは感じませんが、脊椎を持ち上げてくれている筋肉群が少なくなる年齢になると、ズレによる痛みが起こるわけです。 典型的なのが脊柱間狭窄症です。
結論です。
動作痛は、「正しく使っていない」という身体からの警告であり、使われていない筋肉を使うようにすると治る痛みである。 ということです。
そして動作痛があると、多くの人が怖がって動ける部分があるにも関わらず、絶対安静にしてしまい、血流が悪くして、余計に治りが悪くなっています。
動作痛があっても動くべきであり、正しく使ってやると痛みは消えるということを覚えておくべきです。